コーヒー豆は、コーヒーノキからとれる果実です。そこから種子(コーヒー豆)を取り出し、
精製してから出荷します。
その精製の方法によるコーヒー豆の味の違いがわかり、コーヒー豆を選ぶときに役立ちます。
コーヒー好きの皆さん、こんにちは!
コーヒー豆の名前は、長いものがあり、
「エチオピア シダモG1 ナチュラル」とか、
「ブラジル 南ミナス ベラビスタ農園 ブルボンアマレロ パルプドナチュラル」
といったものがあります。
この中の「ナチュラル」や「パルプドナチュラル」といった部分が、豆の精製方法を表しています。
今回は、精製方法による味わいの違いをご説明します。豆選びの一つのポイントになりますので、参考にしてください。
コーヒー豆の精製とは?
精製とは、なにをするの?
コーヒーチェリーは、外側から外皮、果肉、ミューシレージ(粘液質)、パーチメント(内果皮)、シルバースキン(銀皮)、種子の構造になっています。複雑、、、
この種子の外側の部分を取り除き、焙煎前の生豆と呼ばれる状態にする工程のことを「精製」といいます。
コーヒー豆の精製
製法のいろいろ
精製方法はいろいろあり、主に以下のようなものがあります。
その中で「ナチュラル」「ウォッシュド」「パルプドナチュラル」を知っておけば大体は大丈夫かと思います。
・ ナチュラル
・ ウォッシュド
・ パルプドナチュラル ( ハニープロセス、セミウォッシュドはほぼ同じです )
・ ハニープロセス
イエローハニー
レッドハニー
ブラックハニー
・ スマトラ式
・ アナエロビック・ファーメンテーション(嫌気性発酵)
なぜ、こんなにいろいろな製法があるのかというと、コーヒー豆が取れる土地土地で、環境が違うからです。
水が潤沢に使えないと、ウォッシュド製法はできませんし、乾季がないところでは、ナチュラル製法も簡単にできません。
その土地で最適な製法がとられています。
最近では、おいしいコーヒーを作るために製法を変えて作ったりすることも増えました。
精製方法と味わいの違い
ナチュラル製法
最も古くから普及している伝統的な精製方法。ナチュラル製法は、収穫されたコーヒーチェリーをそのまま乾燥させる最もシンプルな精製方法です。果肉や粘液質を取り除くことなく、天日干しや機械乾燥によって水分を飛ばし、その後、果肉や種皮を取り除いて豆を取り出します。
- 工程1収穫
熟したコーヒーチェリーを収穫します。
- 工程2乾燥
収穫したコーヒーチェリーをそのまま、天日干しや機械乾燥によってじっくりと乾燥させます。この乾燥期間は、品種や気候条件によって異なりますが、通常2週間から1ヶ月程度かかります。
- 工程3脱穀
完全に乾燥したコーヒーチェリーから、果肉やパーチメント(硬い殻)を機械で剥ぎ取り、生豆を取り出します。
ナチュラル製法の味わい
- フルーティーな風味: 果肉や粘液質が豆に付着した状態で乾燥するため、果実のような甘みや香りが強く、複雑な風味を持つコーヒーになります。
- 個性的な味わい: 同じ品種の豆でも、収穫時期や乾燥方法によって味わいが大きく変化します。
- ボディ感: ウォッシュド製法に比べて、ボディ感が強く、濃厚な味わいが特徴です。
ウォッシュド製法
ウォッシュド製法は、コーヒー豆の精製方法の一つで、水洗式とも呼ばれます。収穫されたコーヒーチェリーから果肉や粘液質を水で洗い流し、乾燥させることで、コーヒー豆を取り出す方法です。
ウォッシュド製法の工程
- 工程1収穫
熟したコーヒーチェリーを収穫します。
- 工程2果肉除去
パルパーと呼ばれる機械で、コーヒーチェリーの果肉を取り除きます。
- 工程3発酵
水槽に移し、数時間から数日かけて発酵させ、果肉と豆の間に付着している粘液質を分解します。
- 工程4水洗
発酵が終わった豆を水で洗い流し、残った粘液質を取り除きます。
- 工程5乾燥
天日干しや機械乾燥によって水分を飛ばし、乾燥させます。
- 工程6脱殻
乾燥した豆の外側の皮(パーチメント)を剥ぎ、生豆の状態にします。
ウォッシュド製法の味わい
- クリアでクリーンな味わい: 果肉や粘液質の影響が少ないため、コーヒー豆本来の味がストレートに感じられます。
- 酸味が際立つ: 清潔感のある酸味があり、爽やかな口当たりが特徴です。
- 雑味が少ない: 果肉や粘液質の影響が少ないため、雑味が少なく、クリアな味わいが楽しめます。
- コーヒー豆の個性が出しにくい: 果肉や粘液質を取り除くため、コーヒー豆本来の個性が出しにくい場合があります。
パルプドナチュラル製法
パルプドナチュラル製法は、ウォッシュド製法とナチュラル製法の中間的な精製方法で、セミウォッシュドやハニー製法とも呼ばれます。コーヒーチェリーの果肉の一部を除去した後、残りの果肉(粘液質)をつけたまま乾燥させることで、ウォッシュドのようなクリアな風味と、ナチュラルのようなフルーティーな風味を両立させたコーヒー豆が得られます。
- 工程1収穫
熟したコーヒーチェリーを収穫します。
- 工程2パルピング
パルパーと呼ばれる機械で、コーヒーチェリーの果肉を一部除去します。この際、種子に付着している粘液質(ミューシレージ)は残ったままとなります。
- 工程3乾燥
パルピングされたコーヒー豆を、天日干しや機械乾燥によって乾燥させます。乾燥時間や方法は、生産地や農園によって異なります。
- 工程4脱穀
完全に乾燥したコーヒー豆から、残りの果肉やパーチメント(硬い殻)を剥ぎ取り、生豆を取り出します。
パルプドナチュラル製法の味わい
- バランスの取れた風味: ウォッシュドのようなクリアな酸味と、ナチュラルのようなフルーティーな甘みの両方が感じられ、バランスの取れた味わいが特徴です。
- 多様な風味: 粘液質の残し方や乾燥方法によって、柑橘系、ベリー系、石果実系など、様々なフルーツを思わせるような香りが楽しめます。
- 複雑な味わい: 単純な甘みや酸味だけでなく、花の香りやスパイスのような複雑な味わいを伴うことも。
- ボディ感: ウォッシュドに比べてボディ感があり、ナチュラルに比べるとやや軽やかな口当たり。
ハニー製法
コスタリカやパナマなど中南米の農園では、パルプドナチュラルの精製をハニープロセスと呼ぶことが多い。通常のパルプドナチュラルよりも使う水の量が少なく、パルパーを通した時にある程度の果肉やミューシレージを残すように調整される。その後、乾燥棚やパティオで乾燥します
スマトラ式
スマトラ式製法は、インドネシアのスマトラ島で古くから行われている伝統的なコーヒー豆の精製方法です。他の精製方法とは異なり、乾燥の途中で脱殻するという特徴があります。この製法は、ほぼ、マンデリンです。
まとめ
ナチュラル製法は、香りよく、果実感があり、まろやか、ボディがしっかりしている。
ウォッシュド製法は、酸味が立ち、スッキリしている。コーヒー豆の果実の味わいはあまりしない
パルプドナチュラルは、ナチュラルとウォッシュドの中間。バランスがよい
詳しく言うともっといろいろあるのですが、コーヒーの製法と味わいの特徴は、これくらいで十分です。
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